数学

意外と難しい!?変数(未知数)と定数の違い

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皆さんは変数と定数の違いをはっきりと認識しているでしょうか。

数学や物理においてとても重要となってくるこれらの違いですが、学校ではあまり詳しく教えてくれないように感じます。

この記事では、変数と定数の違いを具体的な例を用いてできるだけわかりやすく紹介していきます。

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1.変数と定数の違い

では、まず基本的な意味を書きます。

変数・・・未知あるいは不定の数・対象を表す文字記号のこと

定数・・・値が固定されて変化しない数のこと

wikipediaより

簡単に言っちゃえば、

文字通り、数は「値が化する数」で、数は「値がまった数」ってことですね。

 

でも、これだけ聞いてもさっぱりですよね。

 

そこで色々と調べた後に僕が行き着いた結論を紹介したいと思います。

 

変数・・・関数や方程式の中で注目する数

定数・・・関数や方程式の中で気にしない数

 

ズバリ、これですね。

ではどういうことなのか、具体例を通して見ていきましょう。

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2.関数の中での変数と定数の違い

では、まず関数の中での変数と定数の違いを見ていきましょう。

次のような問題を考えましょう。

 

問題1

次の関数のグラフをxy平面に書きなさい。ただしaは定数、x,yは変数とする。

$$y=ax$$

 

この問題の「aは定数とする」という条件が大事になってきます。

 

基本的な関数ですね。

もちろんグラフは次のようになります。
HAFHbH3WQQM1UNKXNey3CybU(2)

原点を通る傾きがaのグラフですね。

このグラフは何を表しているかというと、x=1の時はy=aになるし、x=-2の時はy=-2aになるってことを表しています。

つまり、xが変化していくとyがどのように変化していくか観察したいので、わかりやすくグラフにしたってわけです。

 

この時、aは何だっていいのです。

関数において我々が注目するのは値が変化していく変数です。

何か決まった固定された値をとる定数は気にせずにグラフを書き進めればいいのです。

たとえ定数の値が具体的に決まっていなかったとしても、文字で代わりに書いておけば何の問題もありません。

 

これだけではまだよく分からないと思います。

では、次の似たような問題を見てください。

 

問題2 

次の関数のグラフを書きなさい。

$$y=ax$$

 

問題1とどこが違うでしょうか。

そうです、a,x,yが変数なのか定数なのかわかりません。

 

もしもここで、aが定数ではなく変数(x,yも変数)と捉えた場合、先ほどと違うグラフが出来上がります。

次のようなグラフです。

X1afMK8UdMg85Y5Dy4eWFbTQ

画力がなくてすみません(^^;)

aも変数として捉えたわけですから、aの変化まで考慮しなくてはなりません。

つまり今度は、xとaが変化していくとyがどのように変化していくかを観察するためにグラフを書いたわけです。

この場合、x,yに加えてaという新たな軸を加えた3次元の座標を考えなければなりません。

これでは、とてもわかりづらいですよね。

 

なので、問題1の「aは定数とする」っていう条件をないがしろにしてはいけないのです。

定数ではなく、変数だったらaの変化にまで注目しなくてはなりませんからね。

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3.方程式の中での変数(未知数)と定数の違い

(方程式の中で出てくる変数は普通未知数と呼ばれます。

なので、これから未知数という言葉を使いますが、変数と同様に考えてもらえればいいです。)

 

 

次のような問題を例に考えていきましょう。

 

問題3 

次の2次方程式を解きなさい。ただし、aは定数とする。

$$x^2+4ax+3a^2=0$$

 

もちろんこの問題も「aは定数とする」という条件は必要です。

xは未知数です。

 

では、解いていきましょう。

$$x^2+4ax+3a^2=0$$

$$\left( x+a \right)\left( x+3a \right)=0$$

$$\underline{x=-a,-3a}$$

 

これで未知数xが求まりました。

「えっ?aの値がわかってないんだから、これでは方程式が解けたとは言えないんじゃないの?」

と思う人がいるかもしれません。

僕もそうでした。

 

しかし、これで解けたと言えるんです。

というのも、方程式中において、未知数とはまだ正体がわかっていない数ですが、定数は正体がわかっている数なのです。

方程式を解くというのは、正体不明の未知数の正体を暴くことです。

なので、未知数xを正体のわかっている定数aで表すことで見事xの正体を暴くことができたとされるのです。

 

関数の時と同様に、aの値はどうでもいいということになります。

ある一つの値であると決まっていれば、この際注目しなくていいのです。

それが定数という概念です。

 

 

では、次の問題はどうでしょうか。

 

問題4

次の2次方程式を解きなさい。

$$x^2+4ax+3a^2=0$$

 

今回は、xとaが定数なのか未知数なのか分かりません。

問題3では、aが定数と分かっていたので、問題の式が「未知数xについての2次方程式」と分かりましたが、今回はそうはいきません。

今回は、3つのパターンに分かれます。

パターン1 xは未知数、aは定数

これは問題3のパターンですね。

解は

$$x=-a,-3a$$

になります。

 

パターン2 xは定数、aは未知数

この場合、問題の式は、「未知数aについての2次方程式」であると言えます。

 

この場合は、

$$x^2+4ax+3a^2=0$$

$$3a^2+4xa+x^2=0$$

$$\left( a+x \right)\left( 3a+x \right)=0$$

$$a=-x,-\frac{ 1 }{ 3 }x$$

 

って感じになります。

未知数aを定数xで表したんですね。

普通a,b,cは定数、x,y,zは変数として使うのでなんだか気持ち悪いですね(^^;)。

 

パターン3 x,aは未知数

この場合、2つの未知数に対して、与えられた式は1つしかないので、解を求めることはできません。

(未知数と同じ数だけ方程式がないと解けない)

 

方程式というよりも、「2変数x,aの関係を表した関数の式」と捉えられます。

 

 

 

このように、「aは定数とする」という条件が抜けただけで問題が成り立たなくなってしまうのです。

おおよそ変数と定数の違いが把握できたでしょうか。

 

4.変数のように扱う定数

では、最後に次の問題と解答をみてください。

問題5

次の2次方程式が異なる2つの実数解を持つために定数kが満たすべき条件を求めよ。

$$2x^2+4x+k=0$$

 

解答

2次方程式が異なる2つの実数解も持つためには、判別式Dが正であれば良い。

$$D=4^2-4 \cdot2\cdot{k}=16-8k>0$$

$$8k<16$$

$$\underline{k<2}$$

 

 

これを見ていると、定数kをあたかも変数のように扱っているように見えませんか?

「定数は正体のわかっている数で気にしなくていいんじゃなかったの?」

と思うかもしれません。

 

これはどういうことなのかというと、

「kを変数(未知数)としてしまうと、2つの未知数が存在することになり、方程式が解けないから、kを定数としておこう」

ということなのです。

 

しかし、正体がわかっている定数kの値のパターンによって、解の種類が変わってくるわけです。

 

つまり、kは正体がわかっている固定された数ではあるものの、その具体的な数値についてはわかっていないのです。

なので、kがとる値を場合分けすることによって、解の種類を決めることができます。

 

ここでいう「kは定数」というのは、「未知数xについての方程式」の中で「kは定数」という意味です。

「未知数xについての方程式」の中で「kは正体がわかっているとされている数」なのです。

 

これが僕が最初に述べた変数と定数の違いの意味です。

変数・・・関数や方程式の中で注目する数

定数・・・関数や方程式の中で気にしない数

 

ここで大事なのは、変数も定数も値がわかっていないという点では全く同じということです。

結局は私たちがどの文字に注目するかなのです。

 

少し難しいかもしれませんが、それが変数と定数の本質だと思います。

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5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

普段何気なく使っている、変数と定数ですが、その違いがなんとなくわかったと思います。

 

wikipediaにも変数と定数の違いは曖昧だとあるように、実はよく似ていて混同しやすいのが変数と定数です。

なので「xについての方程式と呼びたいからkは定数とする」、「xとyの関数と呼びたいからaは定数とする」ぐらいの考え方でいいと思います。

 

僕自身まだまだ未熟なので、その程度の理解でしばらくやっていこうと思います。

ネットで調べてもあまり詳しく言及されていなく、この記事は自分なりの解釈が入っているところもあります。

何かもっと新しいことがわかったら更新したいと思います。

では、またね。

 

こちらの記事では、方程式と恒等式の違いについて書きました。

よかったら見ていってね。

等式には2つの種類がある!?方程式と恒等式の違い

 

 

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