こんにちは、よしきです。
本日はこの本のレビューをしたいと思います。
不動産投資の教科書とも言える良書でした。
大事なのでもう一度言います。
教科書のような本でした。
僕は不動産投資をほぼ何も知らない状態で読み始めたのですが、読了後は不動産についてアレコレ語れるぐらいの知識を身につけました。
種銭があれば今すぐ始めたいぐらいです。(まだないけど)
僕みたいな初心者の方にもオススメですし、不動産を持っているが改めて仕組みの理解を深めたい、という方にもオススメの内容だと思います。
スポンサーリンク
著者
- 玉川陽介(たまがわ・ようすけ)
コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ株式会社代表取締役。1978年神奈川県大和市生まれ。学習院大学卒。幼少期にITに慣れ親しんだ経験から、大学在学中に統計データ分析受託の会社を創業。同社を順調に拡大させたあと、2006年に株式売却。その後は、株、債券、デリバティブなど国内外での証券投資を生業とするもアベノミクス以降は不動産を中心に投資している。また、個人投資家としての収益を主な収入源としながら、経済誌を中心に記事を執筆している。
本書は著者の6冊目の書籍で、著者曰く、
これまでの本の中で、もっとも濃い内容に仕上がった
のだとか。
本書を手に取ったきっかけ
投資の王道とも言える不動産ですが、僕はその実態をほとんど知りませんでした。
僕の心の師になりつつあるサウザーさんが、不動産投資を勧めていることもあり、関心の熱が高まっていました。
まずは本で調べようと思い、本書に行き着きました。
結果、最初に読む本としては大正解でした。(他の本を知らないので比較はできないが。)
本書の魅力
本書の魅力は何と言ってもボリューミーな内容にあります。
本書には付録として、著者が作ったExcelシートやその他資料などがダウンロード出来ます。
このExcelシートが貰えるという一点だけでも本書を買う価値はあります。
Excelシートには各種データを算出するための計算式が全て載っています。
不動産投資で参考にすべき指標は多数あるのですが、このExcelシートの内容を学ぶことでそれらを全て自分で計算出来るようになります。
本書のもう一つの魅力が、論理的で客観的な視点で書かれていることです。
本書で書かれているのはデータの意味とその求め方です。
そこに著者の主観は入っていません。
あくまで客観的な事実が書かれているのみで、信じる信じないの判断をする必要がありません。
ゆえに投資にありがちな「怪しさ」のようなものは感じませんし、むしろ客観的データによって抽象的な投資の「怪しさ」を払拭してくれる内容が書かれています。
本書に向いていない人
僕にとってはこの上ない良書でしたが、本書は人を選ぶかもしれません。
まず本書はあくまで客観的な視点で書かれているので、著者オススメの投資のやり方などが載っている訳ではありません。
具体的なハウトゥーや即効性を求める人には向いていない内容です。
続いて、辛抱強く学ぶことに慣れていない人は本書を十分に活かせないと思います。
データの意味と算出方法を学ぶことは最初は骨が折れますし、本書は良くも悪くもボリューミーなので全て理解するには相当な時間がかかると覚悟しておくべきです。
僕は著者のExcelシートを見ながら、自分で一からExcelシートを作ることまでやったのでおおよそ20時間近く本書と過ごしたと思います。
また、Excelが使えない人も本書を活かしきれないでしょう。
本書の魅力は何と言っても著者のExcelシートですので。
逆に、データや数式とのにらめっこが得意な人や不動産投資を体系的に理解したい人(これが僕なのですが)にとっては最高の一冊となるでしょう。
スポンサーリンク
本書の構成
本書は以下の3部に分かれた構成になっています。
- 不動産投資の基礎の基礎を学ぶ、序章。
- 収益構造の概要を理解する、第1部-理解編。
- Excelの収益シミュレーションを使って細かい計算や具体的なケースを比較する、第2部-実践編。
徐々にステップアップしていき、読者のレベルに寄り添った書き方をしてくれているので、僕みたいな初級者でも問題なく理解できるようになっています。
不動産はこの三つの理解が大切
著者は
不動産投資は、賃料収入、融資、税金がすべての鍵になっている
と言います。
本書でこの発言はさほど強調されていないのですが、僕はこれこそが本書の性質を表している一文だと思います。
第1部の理解編では、この三つがそれぞれ三章に分けてじっくり解説されています。
すごい、すごいと言っているだけでは響かないと思うので、チラッと本書の内容を紹介しようと思います。
賃料収入
IRRという分かりやすい指標
不動産投資において最も直感的で分かりやすい収益の指標として、「IRR」が紹介されています。
IRRの説明は、次の一文がわかりやすかったです。
IRR8%と計算された不動産投資案件に5年間投資を行った場合、8%複利の定期預金に5年間預けたのと最終的には同じ銀行口座になります。
不動産投資にかかわらずどの投資でもこのIRRが投資の「うまみ」の指標になります。
不動産投資で結局どれぐらい儲かるのか分からない、という疑問に明確な数値で回答してくれる指標になります。
ちなみに8%複利の定期預金に100万円預けると、5年後には128万円になります。
融資
低金利のうまみ
著者は不動産投資で勝てる理由の一つとして、日本の低金利をあげています。
現在の日本では約1%という超低金利で銀行の融資を受けられるそうです。
この日本の低金利が、7%や8%という堅実な表面利回りの物件でも十分に資産を増やしていけることに繋がっています。
また、著者は知識のない人が陥りがちな間違った認識について指摘しています。
「利息の支払いを極力減らしたいので、
- 頭金の自己投資額を多く
- 借入年数を少なく
するべきである」
という認識が誤りであると述べています。
むしろこれらは逆で、せっかくの低金利を活かすためには積極的に長い期間、多く(低い自己資金割合で)借りるべきだと指摘しています。
低い自己資金割合で借りることで大きいレバレッジをかけることが出来ますし、長い期間借りることは安定したキャッシュフロー(CF)につながります。
何を言っているかさっぱりわからない方はぜひ本書を読んで理解してください。
税金
記事も長くなってきたので、ここからは手短に。
不動産は大きなお金を動かす事業ですので、税金を細かく把握することが重要です。
本書では具体的にどのような税金がかかるか、それらはどういう仕組みか、節税の仕方はあるか(経費の仕組み)、などが丁寧に説明されています。
僕は今まで税金は詳しくなかったのですが、今回その重要性が分かりました。
前々から税金を勉強しようとは思っていたのですが、何から学べばいいかもわからない状態でした。
そんな僕にとって、税金の入門書としても優れた内容でした。
税金のリテラシー、大事ね。
まとめ
本書の内容がボリューミーすぎて記事も長くなってしまいました。
読むのに少し根気は要りますが、習得してしまえばより客観的に不動産投資を考えられるようになります。
僕も早く不動産投資を始めたくてうずうずしていますが、まずは種銭を貯めることに注力します。
皆さんも是非手にとってみてください。